無料で自転車の練習ができる公園:杉並児童交通公園と、引退したD51
東京近郊

無料で自転車の練習ができる公園:杉並児童交通公園と、引退したD51

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自転車に乗れるようになる日は、たいてい、家の前の道か、近所の公園でやってきます。ただ、どちらもあまり向いていません。車が通り、人が歩き、転んだときに止まってくれる人がいません。

杉並区の善福寺川のほとりに、そのためだけに作られた公園があります。杉並児童交通公園。園内には信号があり、標識が立ち、横断歩道が引かれ、踏切まであります。そして、そこを走るための自転車が無料で借りられます。

借りるものが、ほとんど無料

自転車と足踏み式のゴーカートを合わせて、園内には180台以上。受付で使用申込書に住所と名前を書けば、貸出は無料です。1回の申し込みで使えるのは30分。混んでいなければ、また並んで申し込めます。

「貸出自転車受付 4歳から」と書かれた案内板

自転車は満4歳から。ゴーカートは1人乗りが小学生用、2人乗りは幼児と保護者(中学生以上)で、1回につきコースを2周できます。まだペダルに足が届かない小さな子には、足で蹴って進むコンビカーも置いてあります。

大人だけでは借りられません

ここは、はっきり書いておきます。杉並区の案内によれば、自転車を使えるのは中学生以下の子どもと、その付添い人です。大人だけで来て、散歩がてら借りて走る、という使い方はできません。子どもが練習するための場所で、付添いの大人はそのために一緒に走る、という考え方です。

貸出自転車とゴーカートの利用ルールが書かれた園内の看板

自転車は「身長に合うサイズ」を選ぶ

この公園のありがたいところは、サイズがそろっていることです。14インチから26インチまであり、補助輪付きもあります。買う前に、いろいろなサイズにまたがってみられる場所は、そう多くありません。

サイズ選びの考え方は、メーカーの案内がいちばん分かりやすいと思います。ブリヂストンサイクルは、「お子さまの両足のつま先が地面に着くようなサイズを選ぶことが大切」と書いています。大きめを買って長く使おうとすると、止まるときに足がつかず、こわくてブレーキが遅れます。

適応身長の目安も公表されています(ブリヂストンサイクルの場合)。

  • 14インチ:身長97〜112cm
  • 16インチ:身長101〜118cm
  • 18インチ:身長107〜123cm
  • 20インチ:身長110〜134cm
  • 22インチ:身長116〜140cm
  • 24インチ:身長122〜145cm

同じインチでもメーカーやモデルで寸法は変わります。数字は目安として持っていき、最後は実際にまたがって、両足のつま先が着くかで決めてください。ここで試してから買いに行く、という順番がとれるのが、この公園の使いどころです。

信号と標識のある、1.3kmのコース

園路は全長約1.3km。信号機が変わり、標識が立ち、踏切があります。子どもは走りながら、止まる場所と待つ時間を覚えていきます。交通ルールを机の上で教えるより、これは早いです。

園内マップの看板。コースと施設の配置が描かれている

自分の自転車で走ることもできます。その場合はコース使用申込書に記入し、緑のリボンを自転車に付けてから入ります。なお、貸出の練習用自転車は園外のサイクリングコースへは出られません(補助付きの自転車は、保護者同伴ならサイクリングコースを使えます)。

園の奥に、本物の蒸気機関車

「すぎなみえき」と書かれた改札の奥に、黒い機関車が止まっています。D51 254。模型でも複製でもなく、実際に走っていた1台です。

正面から見たD51 254。ナンバープレートと「あぶないからのらないでね。」の札

記録によれば、この機関車は1939年(昭和14年)12月16日、国鉄の鷹取工場で生まれました。長門で最後の日を迎えたのが1974年(昭和49年)10月21日。同じ1974年に、国鉄大宮工場からこの公園へ運ばれてきました。生まれて35年走り、それから50年以上、ここで子どもたちに見られ続けていることになります。

D51形の諸元が書かれた解説板

柵の前には「あぶないからのらないでね。」と、ひらがなの札が下がっています。登れません。柵の外から見るものです。それでも、車輪の大きさとロッドの太さは、外からでも十分に伝わってきます。

→ 同じ杉並区で、走っている電車を間近に見たい方へ:上井草駅:西東京の静かな「撮り鉄」スポット

静かに、ゆずり合って

ここは観光施設ではありません。近所の子どもが自転車に乗れるようになるための、区立の公園です。入園も貸出も無料なのは、商売ではないからです。

  • 園内にゴミ箱はありません。お弁当の容器やおむつも含め、ごみは持ち帰ります
  • ペットは入れません。犬も猫も、園内には連れて入れません
  • 園内は禁煙です
  • キックボード・スケートボード・一輪車は使えません。なわとび・ボール遊びも園内では禁止です
  • コースは練習中の子どもが優先です。写真を撮るときも、コースの上に立ち止まらないでください

車で行くところではない、というのも大事な点です。駐車場はありません。区の案内にも「車での来園はご遠慮ください」と書かれています。

基本情報

  • 名称:杉並児童交通公園(杉並区立)
  • 所在地:東京都杉並区成田西1-22-13
  • 開園時間:8時30分〜17時
  • 乗り物(自転車・ゴーカート・幼児コーナー):9時〜16時30分
  • 休園日:12月29日〜1月3日
  • 料金:入園・貸出とも無料(使用申込書の記入が必要)
  • 自転車の利用:満4歳から。中学生以下の子どもとその付添い人に限る。1回30分
  • 駐車場:なし
  • 問い合わせ:杉並区 都市整備部みどり公園課 03-5307-0740

時間・休園日・貸出の条件は変わることがあります。出かける前に、杉並区の公式ページでご確認ください。

行き方

  • 電車:京王井の頭線「浜田山」駅から徒歩約12分
  • バス:杉並区のコミュニティバス「すぎ丸」けやき路線(JR阿佐ケ谷駅〜京王浜田山駅)で「児童交通公園入口」下車、徒歩約3分。阿佐ケ谷からは11分ほど

公園は善福寺川緑地に沿っています。自転車の練習のあとに川沿いを歩いて帰る、というのが、この場所のいちばん気持ちのいい使い方かもしれません。

大人が東京を自転車で走るなら

この公園は子どものための場所ですが、「東京を自転車で走ってみたい」という気持ちのほうは、別の形で叶えられます。皇居のまわりと渋谷を、ガイドと一緒に3時間ほど走るツアーがあります。出発は10時と14時、ガイドは日本語と英語に対応しています。

参加できるのは14歳以上です。小さいお子さんと一緒には申し込めないので、そこだけご注意ください。集合場所・料金・キャンセル条件は主催者が決めるもので変わります。予約の前に商品ページをご確認ください。

家に帰ってからの、いちばん地味な仕事

自転車の練習で挫折する理由の上位に、空気が抜けたままの自転車があります。タイヤがやわらかいとペダルが重く、子どもは「自分が下手だから進まない」と思ってしまいます。

足踏みポンプは、子どもには踏めません。親も、週末に思い出したときだけ、という運用になりがちです。電動の空気入れは、バルブに差してボタンを押すと、設定した圧力で自動的に止まります。仏式・英式・米式のどれにも使えるものを選んでおくと、大人のロードバイクから子どもの16インチまで、1台で足ります。

こんな方へ

補助輪を外す日が近づいているご家庭へ。買う前にサイズを試したい方へ。そして、黒い機関車を前にすると足が止まってしまう、すべての年齢の方へ。

信号のある1.3kmを一周して、最後に「すぎなみえき」で機関車を見て帰る。それだけの半日ですが、自転車に乗れるようになった日のことは、たぶん、ずっと覚えています。

※ 開園時間・休園日・貸出の条件は変わることがあります。おでかけの前に杉並区の公式ページでご確認ください。園内では係員の指示に従い、練習中のお子さんを優先してお過ごしください。

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